はじめに・・・・

このお話ははわたしがこの作品を描いている途中にふと思い浮かんで即興で書いたものです。
多分誰も気が付かないと思って作品の下にこっそり載せていました。
 見つけた人はラッキーー♪得をした気分になればと思っていたら・・・。

なんと早々と見つけた人がいたのです。“o(><)o”
しかも口コミ?BBSで広まるところとなり、続編を考えたりして話がますます盛り上がったのでした。


この続編(蛇足)がかなり面白くって笑えるのです!
このままBBSのログといっしょに消えるのはもったいない気がして・・・
恥ずかしいけどここにその続編(蛇足)も含めてUPすることにしました。
みなさんまた笑ってください♪

続編を載せるにあたって文章を編集し直していただいたNMちゃんありがとうございました。










番外編・ひなたぼっこ

番外編
ひなたぼっこ





小春日和・・・
その言葉がピッタリのある晴れた初冬の午後。
つくしは窓の外に広がる薄茶色の芝生を見ながら隣にいる司に話かける。
 

「いい天気だね。うーんおひさまの匂いがしそう!こんな日ってひなたぼっこしたくなるね。」
「ひなたごっこ?なんだそれ?俺は幼稚なごっこ遊びなんてごめんだぜ!」

嫌そうに返事をした。
が、しかし・・・・・・何かを思いついた様子。

「どうせやるならお医者さんごっこなんてどうだ?」
 
司が目を輝かせたのは言うまでもない。
 
 
 
ぼかっ!
 

「ひなたぼっこだって言ってるでしょ。ごっこじゃないのぉ!どーしてあんたはそう日本語知らないのっ? ちょっと来て!」
 


つくしは嫌がる司を外に連れ出しごろんっと芝生に寝転ぶ。
おひさまはやわやかな日差しでふたりを包む。
 

「あーーーぽかぽかしてていい気持ち!これがひなたぼっこって言うの!」
「なんだ?ただ外でぼーっとすることか?ひなたごっこってやつは! 貧乏くせー。」

無理やり連れて来られた司はだだでさえ不機嫌だ。

「だーかーらーごっこでなくてー」
 
そう言った瞬間司の顔が近づいてくる。
 
な・・な・なに?
おでことおでこが触れ合う。間近に見る道明寺の綺麗な顔。
瞳の中にわたしが映ってる。。。。
も、もしかしてこんなところでキス?!ちょ、ちょっとーーぉ!
思わず赤面してしまう。
 




「患者さんちょっと熱があるようですね、さ、診察しますから上着を脱いで下着だけになってください。」
 
司はニヤリと笑うと
 
「俺はひなたお医者さんごっこがいいぜ!もちろん俺が医者で・・・牧野、おまえが患者のひなた役だ」
 



・・・こいつ。まるで解ってない。
わたしも解ってなかった・・・。





                                         
                        おしまい









蛇足 @                          NMちゃん

不意に、後ろの木の茂みが不自然に揺れた。
「くっくっくく・・・。」
「・・・・・!」
「つーかーさーくーん!!」
総二郎とあきらが登場。

「なんだか、いいことやってるじゃない。」
「お医者さんごっこだって・・?」
にやりと笑って言う。

「お兄さんたちも、いれてくれるかなー?」
「俺に兄貴はいねえ・・・。」
そっぽを向く司。

「さあさあ、診察しますからね。」
声色を変えて総二郎が言う。
「えぇっ?ここで脱ぐんですかぁ?」
大げさに黄色い声をあげるあきら。

「当たり前でしょう、なんならお手伝いしましょうか。」
総二郎があきらのシャツのボタンに手をかける。
「なんで、おれがいつも牧野役なんだよ・・。」
少しばかり不満そうなあきら。

「いいところなんだから、文句言わないの。」
総二郎があきらを捕まえる。
「あぁっ、そんなぁ・・・困りますぅ。」
あきらが、いやいやをしながら答える。

「・・・・・。」
司の握り締めたこぶしが、わなわなと震えだす。
つくしは完全にあきれ顔。
二人芝居はそんなことにはお構いなく、佳境にさしかかる。

「そんなにはずかしがらないで、はーやーくー。」
「あぁー、やめてー!」
「ほらほら・・・。」
「・・・そんなところ、・・あぁっ・・どうかなっちゃう・・。」
嬌声が一段と高くなった、そのとき・・・。


ガツッ、・・ゴン!!


司の拳骨が総二郎とあきらの頭上に炸裂する。
「痛っ・・!」
「いってぇ・・・!」
ほとんど同時に二人は頭を抱えてしゃがみこんだ。

「そんなに思いっきり殴んなくても、いいだろっ!」
「ひどいよ、司。」
二人が抗議の声を上げる。

「うるさい、出て行け!」
顔を真っ赤にして司が叫ぶ。
額には太い血管が浮かび上がる。

「ちぇっ、冗談の通じないヤツめ。」
「だから、ドーテーは嫌なんだよ。」
総二郎とあきらは捨て台詞を吐いて逃げ出した。


邪魔者は消え去ったが、取り残された二人の間には、妙に気まずい空気。
「・・・・・。」
「ね、中入ろうっか、日も傾いてきたことだし・・・。」
つくしの方から声をかけた。
「・・おう・・・。」



家の中に入るやいなや、にぎやかな声がする。
「ニッシーとあきらから聞いたよー。」
滋と桜子がパタパタと駆け寄ってくる。

滋は医師の白衣を着て、聴診器を首にぶら下げている。
桜子は看護婦の白衣に注射器持参。
目を丸くする司とつくし。

「ど・どうしたんだ?」
「お医者さんごっこでしょう、やっぱり気分出さなくっちゃ・・ね。」
ウインクしながら天真爛漫に答える滋。
「はぁ・・?」

「先輩も、これ着てくださいね。」
桜子がつくしに看護婦の白衣を手渡す。
「いったい、何始める気だ?」
警戒心をあらわにする司。

「チッチッチッ・・・。」
滋が意味ありげに笑いながら、指を振って見せる。
「つーかーさー、つくしの看護婦姿って見たいよねぇ?」
「えぇっ?」
思わず言葉を失う司。

そこに看護婦姿のつくしが登場する。
微妙に照れくさそうにしているのが、とてもかわいい。
「おぉっ・・・!」

牧野が、あんな姿で俺の看病してくれてたらな・・・。
あの病院の看護婦って年増ばっかりだったもんな・・・。
妄想の世界に走って、ぼんやりと見とれる司。

・ ・・・・・・・・・

「あれ?いったい誰が患者するんだ?」
ふと我に返った司が質問する。
「決まってるじゃない。」
「決まっているでしょう。」
にっこりと微笑む女性陣。

気が付けば、右から桜子、左からつくしに腕をしっかりと抑えられている。
「う・うそだろ!」
うろたえる司。

「あきらめが肝心ですよ、道明寺さん。」
桜子が刑の執行を宣言する。
「言うことを聞いて、お・ね・が・い!」
上目使いにつくしが懇願する。

「・・いいでしょ・・ね。」
耳元に口を寄せて甘い声で囁かれると、力が抜ける。
「ま、まぁ、仕方ない・・か。」

「やったぁ・・!」
黄色い歓声が沸きあがる。

こんなはずじゃなかったのに・・・。
「なぜだー!」
司の空しい叫びが道明寺邸に響く。

(おしまい)













蛇足 A                              NMちゃん



「花沢様がお見えになりました。」

メイドの声に振り返って見ると、

小脇に何かを抱えて類が、とことこと歩いてくる。



「花沢類・・・。」

微笑を浮かべるつくし。

「・・・類か・・。」

みるみるうちに、不機嫌になる司。



「・・・こんにちは。」

薄茶色の瞳が笑いかける。

「・・・なんだよ・・。」

司がいきなり突っかかる。

「ちょっと、道明寺・・・。」

つくしがたしなめる。



「・・・いい天気だから・・さ・・。」

「・・・はぁ・・・?」

「司の家の芝生って寝心地いいの、思い出したんだ。」

サラサラの髪がふわりと揺れる。



「これ持ってきてみた・・。」

イルカの形をした抱き枕を大事そうに抱えている。

「今いちばん気に入っているヤツなんだ。」

「・・・・・。」

二人には返す言葉が見つからない。



「・・・ここら辺がいいな・・。」

イルカを両腕に抱え込むとゴロリと横になる。

呆気にとられている司とつくし。

「おやすみ・・・。」



5分も経たないうちに、規則正しい寝息が聞こえ始める。

「るいっ! 自分の家で寝りゃいいだろっ!」

すでに夢の世界に旅立ってしまった類を司が怒鳴りつける。

「こらっ、おきろ!」



つくしが止めに入る。

「いいじゃん、ここって本当に気持ちいいんだから・・。」

「・・・そんなこと言ったって・・・。」

司は腹の虫がおさまらない。



「せっかく、気持ちよさそうに寝ているのに、かわいそうだよ。」

かわいそう・・の一言に司は引っかかった。

「じゃあ、おれはかわいそうじゃないのか・・?」

「あんたのどこがかわいそうなの・・?」

あくまで鈍感なつくし。

「花沢類は何も悪いことしてないよ。」



司が怒り狂う。

「悪いことって、こいつの存在そのものが邪魔なんじゃねえか。」

つくしも負けずに反撃開始。

「どーして花沢類のことを、そんなに邪魔者扱いするの?」

却って火に油を注ぐ結果になった。

「なんだって、おまえは類のことになると、そうやって庇いだてするんだ?」



・ ・・ぎゃーぎゃー・・ピーピー・・・(けんか中)





突然、類がむっくりと起き上がる。

二人の顔を不機嫌な顔でにらみつけて言う。





「ここ、うるさい・・・。」

「はぁ・・?」

状況のつかめない司とつくし。



「・・・かえって、寝る・・・。」

顔をしかめて言うと、枕を小脇にすたすた歩き出す。

寝癖のついた髪が風にたなびいている。



しばらくして我に返った司が叫ぶ。

「最初っから、そうすればいいんだよ、バカ野郎!!」

類の背中に動じる様子はない。



「聞こえていないと思うけれど・・。」

つくしはつぶやいた。



(おしまい)









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