SKY GARDEN




after Scene4   tukasa × tukushi ***







ほんとうに司は、何にもしなかった。



いや、何にもしないと言うと語弊がある。
必要最低限、触れなかった、と言うのが正しい。



それでも、あたしはいつも以上に……
脚の間が潤っていたような……気がするのだ。
















無言の空間が、とてもつらい。
だって、声を押し殺さなければ……。
いつも以上に感じていることを司に知られてしまいそうだから。




ゆっくりと、太腿を移動している司の人差し指。
爪の先が、触れるか触れないかの感覚があたしの中に何かを走らせる。




「……んっ」




堪えきれずに零れた声に、司が優しく反応する。




「……睫毛…震えてるぜ」




わかってるくせに。



体重を、背中の壁にかけてるといっても…
さすがに、立っているのが辛くなってきた。



あたしの顔の横におかれてる、司の両腕がゆっくりと下がる。
ずるずると音を立てながら、降りてゆく司にあたしは期待を止めることが出来ない。





触って。
もっと、ちゃんと触って欲しい。





けど。
いつも以上に、そんなセリフが言えないのは
なんだか負けを認めた気がするから。



あたしから仕掛けた意地悪。



『あたしに触ったら、右パンチ』



さすがに、本気で言った訳じゃないけど。
こうゆうときに限って、キッチリと約束を守る司。
……ワザとなんだけどね。



「……ッ!!」



ゆっくりとたくし上げられたスカート。
太腿に這わされる、司の吐息。
その熱は、確かにあたしの体に伝わってきて。
思わず下唇をかみ締める。



けど、そんなことくらいじゃ動悸が治まるわけでもなく。



勘のいい司のことだ。
あたしが、感じてることくらい最初からお見通しだろう。
わざとこんな風に触れてるってことがわかってるだけに、確信的だ。



あーーーー!!!
もうっ。



チラリと壁に映る時間に目をやった。
部屋の壁紙に映る、数字。
デジタルの数字は、やけに事務的に見えて。
かっちりしたスーツのジャケットを脱いだだけの司に、ぴったりに思えた。
あと、2時間。
司が仕事に戻るまで、あと2時間。



もしこのまま、あたしが首を立てに振らない場合…
司はどうするのだろう。



無理やり、ってなこと以前に
自信たっぷりの、『別にいいぜ。あと30分で、してほしくさせるから』が思い浮かんだ。



あの得意そうな、笑顔が憎たらしい。
ふんわりと与えられえてる快感が、思わず引いたくらい、憎たらしい。



むかむかとして、パチリと瞼を上げると
あたしの足元で、見上げている司とバッチリと目が合ってしまった。



「なんだよ」
「……こ、このまま、上手く流そうなんて…思ってたら大間違いなんだからねっ」



司は不機嫌そうに口元が歪めたあと、あたしのウエストに目をやりパチリとスカートのホックを外す。
軽い音を立てて、足元に広がるスカート。



驚きのあまり言葉が出ないあたしに、司は満足そうに
ニヤついた視線をよこした。



「ちょ、ちょっと!!なにすんのよ!」



思わず脚を交差させてトップスのすそを思いっきり引っ張ってみるけど。
たいして隠せる量でもなく。
無駄な行為だと見せ付けられるだけで、終わる。



「…別に、流そうなんて思っちゃいねーよ。おまえがやりたくなるのを待ってるだけ」



耳元で囁かれて、再び体の奥が痺れる感じがする。



「だ、だって時間ないじゃん。あと2時間我慢すればあたしの、勝ち!」



得意げに言い放ったあたしに、司は怪訝そうな顔をした。



「我慢?」



しまった!!



「なにを我慢してんだよ…。言ってみろよ」



こういった時の司は、まさに水を得た魚だ。
生き生きとしてくる。



「つくしちゃ〜ん?」



ふざけた表情とは反対に、指先はじっとりとあたしの肌を伝っている。
ショーツを縁取るように、なぞる指先。

オロオロとしてるあたしをよそに、事は司の思う通り順調に進んでいるようで。

そのうち、司の反対の指先はゆっくりとあたしのわき腹を上昇し
胸の先に移動する。
軽く擦られるように動く右手に、びくりと体が震えた。



「言っちゃえよ。触って、って」



色っぽい声で言いやがって!ちくしょーー!



ぶんぶんと首を横に振る。
だって、絶対に悔しい。
こんなことになるとは思ってなかったけども。
しょっぱなの原因は、司のはずだ。



なんであたしがこんな風に耐えてなきゃいけないのよ!



感情とは別に何度も優しく擦られる胸の先端は、ゆっくりと硬度を増してきて…。
下着を着けてるにも関わらず、服の上からもはっきりとわかるようになっていた。
それを、司が服の上から舌で撫で付ける。



「やッ!!!」



瞬間、腰に力が入らなくなり、ずるずると壁伝いに座り込んでしまった。
右肘を壁に置いたまま、あたしを見下ろしてる司。



そんな司がやけにかっこよく見える。



怯えたように見上げるあたしに向かって、司は優しく微笑むとゆっくりと体を屈めた。

優しく触れ合った口唇は、あたしの熱さを伝えるのに充分だ。

交差している太腿の間を、侵入してくる司の指。
そのまま、ショーツ越しに押される中心。



あたしは、思わず司の腕を抱え込んだまま太腿に力を込めてしまう。



「そんなに力入れんなよ。……動かしづれーだろうが」



いつの間にか、司の声色にも熱が篭っている。
それがよりいっそうあたしを、熱くさせてきて。



触れるとか。
触れないとか。
もう、そんなことどうでもよくなってきてるのかも知れない。



あたしは、ゆっくりと動く司の指を逃すまいと思いながらも
力を抜くことが出来ない。



動かされれば、動かされるほど………。





くちゅ、と湿った音がする。



自分が奏でる音なのだけど。
羞恥心を忘れるくらい、司の指先の動きは巧みで。
ショーツの上からだった行為がいつの間にか、直に触れてたことにも気づかなかった。



口唇を甘噛みさながら、動かされる指先は
軽い痺れと共に、奮えまで呼び起こす。



出し入れされる速度を、ゆっくり目にしつつ
中心にある、突起を親指でさらりと撫でられた。



ビクリ、と体が揺れる。
それを知った司は、何度も何度もそれを繰り返した。
あたしの弱点を探り当てたことを喜んでるかのように、執拗に擦りあげられる突起。

もう快感でおかしくなりそうだった。
実際、体にはもう力が入ってなかったし
司が支えててくれなかったら、くったりと床に倒れこんでいただろう。



何度達したか、自分でもわからない。



でもその間声を上げなかったのは、せめても抵抗。



じっとりと湿った肌に、熱を含む吐息はおそらくバレバレだったと思うのだけど。



「…おまえも、強情だな」



司の額に、汗が光るのが見えた。



「……もう、入れるぞ」



司は、あたしの返事も聞かずショーツを横にずらすと
一気に、司自身を突き入れた。



指とは違う刺激に、あたしは思わず腰が引ける。
何度もいかされたあとだけに、敏感になってる。
少しの刺激で、再び達しそうだ。



眉間による皺に、司が苦笑しながらキスを落とした。



「…悪かったよ、俺の負け。降参。だから、もう我慢するな」



我慢するな、と言われても。
今まで我慢してきた分どうなるかわからない。
さすがにそれは、自分でも怖い。



「……が、ま…んなんて…してない……」



うそだけど。



自分の中を擦られる感覚が、全身に広がってきそうだ。
ゆるゆると、足のつま先から何かが流れ込んでくる感覚。



ま、またっ……!!!



あたしは、自分から司に抱きついた。
しがみついた背中は、やっぱりじっとりと湿っていて。
あたしの中で、司自身も堅さを増したのがわかった。



いつの間にか、司のネクタイは外されYシャツのボタンは全部はだけていた。
ヒラヒラとした白いYシャツの裾は、あたしを快楽の波に誘っているように見える。

それに抵抗すべく
大きな波に連れてゆかれないように、わざとYシャツと素肌の間に腕を絡ませ背中に爪を立てた。
ほんの少し、司は眉をしかめたけど。





5回のドタキャンは、これで許してあげる。
散々じらされたのも、チャラ。





だから、思いっきり抱きしめて。





司が突き上げるたびに走る快楽は、媚薬のように甘く切ない。
それでも、何度も何度もと願ってしまう。





「あたしの中……司でいっぱい………」





突き上げられる激しさが増す中、切なさまでこみ上げてしまった。
思わず、口からでた言葉だけど。
結構、本心だったりする。



「……こっちのことか?」



司はあたしと司が繋がってる場所に、視線を送る。



「それとも……こっち?」



胸元を、トン、と触れた。





どっちも。
どっちもだよ、司。





「………どっ…ちも…んあっ……」



司の動きが、さらに激しさを増したので上手く答えられただろうか。
あたしはそのまま、司に翻弄されるのだけど。



「俺も」って司の声は、しっかりと覚えていた。










結局。
しっかりと時間内に、事がすんでしまうことに 感心したり、悔しかったり。



そんな中あの皺くちゃのYシャツの言い訳は、何てするんだろう…なんてどうでもいいことを考えていた。






おしまい






2006,1,6     momota




■■■アトガキ■■■

結局は、つくしは司に甘いですな。
だから、司が調子に乗るのです(苦笑)
まぁ、焦らしプレイもたまにはいいかもしれないですけどね。


私には珍しく、1回で司が満足してます。笑っとけ笑っとけ。
あ、何回もやりたがるのは類か!!←!


しかも、正常位。
素晴らしいよ。キミたち。
原点に戻ったね?


……あれ?人的に原点は、バック?(コラーー!)


momota



→text   →nijitop   →nijiotonatop