SKY GARDEN




バスルームから愛をこめて   rui × tukushi ***







「・・・・・・ごめんね」


いつもと違って、心地よく響く自分の声。



「ったく、なんであんたって落ち着きがないのさ」


やっぱり、彼の声もほんのり響く。




って、なんであたしが怒られるの?
思わず、ムッとして左の肩越しに後ろにいる類を睨む。




「・・・・・・なに?」




あたしの視線に気づいた類はゆっくりと、あたしの背中に密着させていた胸を後ろに反らせる。
そして両腕をバスタブの淵へと移動させた。

あたしの背中と離れていった類の胸。
するりとなんの躊躇いもなく距離を置いたそれは、なんだかこちらが追いかけているようでちょっとくやしい。




「る、類があんなとこで・・・・・・キ、キスなんてするからッ」
「キス一つで動揺するあんたのほうがおかしいと思うけど?」






そう。
ことの起こりは、ついさっき。
類のお家の庭で、八重桜を見てたんだ。
そしたら・・・類ってば急にキスなんてしてきて。

それだけならまだしも、ちょうど庭師の人とばったりご対面しちゃって。
動揺したあたしは、そのまま八重桜の濃いピンクの花びらが散る池に、ドボン。



類も、あたしを助けようと?そのまま、ドボン。




・・・・・・。




で、今花沢家のバスルームでこの状態だと。






「もうさ、ハタチも越えたんだし。少し落ち着こうよ」



それは、嫌味ですか?
ちゃんと、さっき謝ったのに。



「・・・・・・類だってそうじゃん」



ボソリと言い返した悔し紛れの言葉。
しっかりと届いてたようで、再び類の胸があたしの背中に密着する。
するりとお腹に回る腕につられて、思わずお腹の腹筋を引き締めた。



ほんの少しだけの緊張感。
たっぷりの、愛情。



その微妙なバランスがなんだかくすぐったい。



ニヤニヤしたあたしの肩に置かれた類の口から零される、反撃の言葉。



「なんだよ。俺が落ち着いてないって?」



類の吐息が、バスの中の湿気と混じりあたしの頬に届く。
その熱さに、ドキンと心臓が鳴る。



「あ、あんな浅いとこで溺れるわけないじゃん。しかも、類自分ちの池でしょ?深さぐらい把握して・・・んっ」



不意に伸びてきた類の指先で、胸の先を擦られた。
途端に広がる、甘い痺れ。




ゆっくりと、柔らかく動く指にあたしは言葉の続きを発することもできず、抵抗すらもできない。
そんなあたしを、満足そうに見下ろす類の淡いグリーンの瞳。
その瞳が隠れたかと思うと、項のあたりに柔らかく這う、類の口唇。




「・・・・・・ニガッ」



そんな声まで、柔らかく響く。



「泡風呂なんてしなきゃよかったよ」



そんなことを言いながらも、あたしの胸を刺激する指先や
脚の間に伸びてきた反対の指も動きを止めない。



「だ・・・って・・・んっ・・・はずか・・・しい・・・か・・・ら」



止むことのない刺激に、徐々に力が入らなくなってくる体を類に預けがちになる。



「ま、俺はどっちでもいいけどさ」



類は満足げに頷くと、今までゆっくりと彷徨わせていただけの指先をあたしの中に侵入させる。



「あっ、ちょっと・・・待って・・・っ」



お湯が入りそうで、思わず腰を浮かすと柔らかくあたしの胸元を彷徨っていた掌で腰を押さえつけられた。
それは、いままで優しく蠢いていた掌とは思いもつかないほど強い力で。

思わず振り返ったあたしの口唇さえも、塞がれる。



「んっ」



優しく口内を探るように動く、舌先。
それだけでも体の奥が痺れてくるのに・・・・・・



あたしの中に埋まる指の動きを早められると呼吸すらもままならない。
ばしゃばしゃとお湯と泡のなかでもがくけど、ソレはどんどんあたしの奥を捉えていって。
そのうち、足先から何かが走り抜け、思わず足の指先に力がこもる。

ゆっくりと
けれど確かに駆け抜けるものに、体中の全てが反応する。



「あっ・・・・・・」



思わず太腿に力が入り、類の腕を締め上げてしまうのだけど
自分でもどうすることもできないで。
意識を保とうとすることだけで精一杯だ。



「んっ・・・んっ・・・・・・・」



それでも緩むことのない、類の愛撫に
未だ塞がれたままの口唇からは、端からもれる短い声だけで。
くったりと、力が抜けたのがわかると類はやっとあたしの口唇から自分の口唇を離す。
ゆっくりと糸を引く、2人を繋ぐ糸。
それがなんだか、やけにやらしく見えて。
その反面、その糸が途切れるのがすごく残念に思えて


乱れる呼吸の中、そんなことを考えてる自分に思わず頬を染めた。


けど、類はそんなことお構い無しにまだあたしの中に残る指を動かす。
そっと、あたしの一番弱い部分も攻めるのも忘れない。



「類っ、も、もう、いいよ。もう、おしまいっ」



慌てて、類に向き直るあたし。
そのまま、すんなりとあたしの中から消える類の感触。



「・・・おしまい、って。牧野はおしまいだろうからいいけどさ、俺、どーすんの?コレ」



視線をバスタブの中に移す類。
その意味を理解したあたしは、よりいっそう頬の赤みを強める。



「で、どっち?ここ?それとも、ベット?」



どっちにしろ、するんじゃないのっ。
思わず涙目のあたしを、面白そうに眺める類の意地悪そうな瞳。



「・・・・・・ここ」



消え入りそうな声。
だけどそれを聞き逃すような類ではない。

にかーっと、嬉しそうに口元を上げるとそのままあたしを引き寄せる。
思わず、類の首もとに抱きつくとそのままあたしの中に押し込まれる、類自身。



さっき、軽く達したばかりのあたしは素直にそれを飲み込んでしまう。



類の上で上下する自分の体。
激しく揺さぶられたびにバスタブから溢れ出す泡。



そして、いつもよりも大きく聞こえる自分の声。
思わず耳を塞いでしまいたいくらいだ。



けれど、類の首元に回した手をどうすることもできずに、力を込めただけで終わる。



あぁやっぱり、ベットにすればよかった、なんて思っていると
あたしの腰を支えている類の手にも力がこもってきた。



途切れ途切れの意識の中、その掌の熱さだけがやけにしみこんでくる。
ゆっくりとあたしの胸の先端を口に含む類と視線があったとき、あたしはゆっくりと瞼を下ろした。




意識の糸を手放すために。



さっきお互いの口唇から伸びていた、キラキラ光る妖しい糸を思い浮かべながら。

























頬にあたる冷たいもので目が覚めた。



「・・・目、覚めた?」



目、覚めた?って・・・。
類が覚めさせたんじゃないの。



ベット横にしゃがみこみ、こちらを覗き込む類。
バスルームでの所為のためか、しっとりと濡れている髪はいつもより濃い目に見える。



ゆっくりと体を起こすと
類がバスローブを着せてくれたようだ。
しっとりとした布にくるまれて、類のベットに横たわる自分の体を眺める。



まだ、だるい体をやっとのことで持ち上げると、差し出された類の飲みかけのミネラルウォーターを奪う。



散々バスルームにこもってたので、すっかりと喉が乾いている。
喉元を通る水分は瞬時に体に吸収されているようだ。

一気に半分まで飲み干すと、ペットボトルをそのまま類に返す。




「あー、おいしっ」
「いい運動したあとだからね」



ギョっとして類を凝視すると、爆笑された。



「あんたのその顔、久しぶりに見たわ」なんて、まだ笑ってるし。



類は、意地悪だ。








          ねぇ、牧野。
          あんたが池に落ちた時。

            俺何にも考えてないのに体が勝手に動いてたんだよ。


          コレってすごいことじゃない?



          けど、悔しいからあんたには教えないけどね。
          まぁ、鈍いから気づくはずもないと思うけど。








今までゲラゲラ笑ってた類。
なんだか急に、妙に真剣な眼差しを向けられて
あたしも睨むのをやめた。



なんなの?



そのうち、フッと表情を緩めたかと思ったらあたしの横に飛び込んだ。
そう、まさしく飛び込んだ、って表現がぴったり。



類の固めのベットが数cm沈んだくらい勢いのいいもので・・・・・・



体がそのまま、類の元へと傾く。



目の前でしっとりとゆれる類の髪。
その細い、金に近い髪で再び思い出される、妖しい糸。



あれって、けっこうHだよねぇ。



バスルームでの出来事を思い出すと、瞬時に赤くなる頬。





「・・・・・・あれ?牧野なんか顔赤いよ」
「・・・・・・」
「あっ、さっきの思い出してたんだろ。やーらしー」



ちょうど手元にあった枕を、類に向かって思いっきり投げつけてみた。
けれど、そんなあたしの反撃もとっさに出された右手でさえぎられる。



ちくしょー。
なんで類にはちっとも敵わないんだろう。



ニヤニヤとした笑みを浮かべながら、近づく類。

腹が立ってるはずなのに。
図星をさされて、恥ずかしいはずなのに。
それでも、あまりのかっこよさにクラクラする。



ゆっくりと傾けられる顔に、キスされるのかと思ってそっと目をつぶったけど・・・・・・
なかなか感じることのない柔らかなものを、不審に思って薄目を開ける。



と、そこにはさっきと変わらずニヤニヤ笑いの類。





・・・・・・このやろう。





「キス、するかと思った?」
「・・・・・・思わない」
「じゃ、なんで目つぶったのさ」
「ね、眠かったのよっ」




あぁ、センスのない返し。




「俺は、キスしたかったんだけど」
「は?」
「牧野の目を閉じた顔。あまりにもかわいいからキスするの忘れちゃった」
「はいはいはいはい。そうで────」




今度はいきなり塞がれた口唇。
んもう、なんだってこうなのよっ。




いいように振り回されてるあたし。
いつか、いつか必ずあたしも類のこと振り回してやるんだからッッ!
あたしの、み、魅力でメロメロにしてやるんだからッ。





もう、メロメロにされてる類のことなんてやっぱり気づくはずもなく・・・・・・
さぁ、牧野つくし。
明日は、どっちだ?!








おしまい








■■■■■アトガキ■■■■■

娘、入園記念っつーことでエロかいてみました。えへ。
あぁ、娘もいい迷惑だなぁ(爆)

やっぱり、ちょっと温めのR。
表でも大丈夫じゃない?(いや、だめです)
そろそろぬるいR脱皮しなきゃダメかしら。
固有名詞、はっきりださないとダメかしら。

ほかんとこじゃいくらでも出せんるんだけど、お話になるとダメなんだよねぇ。←変なとこで照れが入る。

でもそろそろHもマンネリ化してきたので、ルイルイ、司には次回作(いつだよ)あたりからステップアップしてもらおうかな。


あとねーほんとは、バスルームネタは司用だったんだけど。
・・・・・・なぜだかルイルイにバトンタッチ。

もう、解らないんだよ、あたし、自分の頭ん中。
表でalbaしゃんも言ってたけど
類が仔で、仔が類で・・・状態(笑)


がーーーーーー。
仔熱も冷めるどころかますます上昇中。
一人になる時間もチョコチョコ増えて、今後ますます上がると思われます。


こんなお母さんでごめんねーーー(><)


あ、そうそう!タイトルになってる曲。知ってる人いるかな?
最近、大黒摩季さんがカバーしてましたよね?
たしかもともとは、山下久美子さんが歌ってたと思うのだけど・・・
何気に思い出して使わせてもらっちゃいました。
内容はね、全然関係ないッス。歌のほうはふられちゃった曲なんだもん(笑)
・・・最近、曲のタイトルを使わせてもらう話多いなぁ。

2004.4.13   momota



→text   →nijitop   →nijiotonatop