SKY GARDEN




ピカリさん 4000 tukasaka × tukushi ***







「ちょ、ちょっと待ってよっ!」




ごめんなさい、と人とぶつかるたびに頭を下げていたら司はどんどん人波に飲まれていって。




けれど周りの人より頭一つデカイので見失うことはない。
あの、くりくり頭だしね。






なんて、笑ってる場合じゃないわ。






「司ーーっ!」






だめだ・・・・・・。
完全に怒ってる。






って、なんであたしが怒られないといけないのよ。
そもそも、あんたが遅れてきたからこーなったんでしょうがっ!




文句を言いたくても、司は遥か遠くをズンズン歩いていて。
ただでさえ、コンパスが違うのに。



・・・・・・あぁ、そうか。
いつもはあたしに合わせて歩いてくれてたんだと、今頃実感してみたり。












仕事帰りに携帯が鳴った。
すぐにわかる司からの着信。
珍しく、仕事が早く終わりそうだから食事でもしよう、ってことで待ち合わせしてたんだけど。






・・・そこの待ち合わせ場所で、ナンパされたあたし。
そしてタイミングよく現れた司。







はぁ。






あたしと浮気しようっていうチャレンジャーがいたら、会って見たいわよ。ほんと。














いくら呼んでも立ち止まらない司にイラついて、これが最後と大声で彼の名前を呼んだ。


「つかさーーーっ!!」


周りの人が振り返るけど、気にしちゃいられないわ。
それでも、振り返りもせずに先を進む司にもう、どうしていいかわからない。
いつもは大好きな司の広い背中が、今はあたしを拒絶している。






さすがにもうなす術もなく立ちすくんでいると、いかにも軽そうな少年に声を掛けられた。


「おねーさん、彼氏とケンカ?」
ニヤニヤ口元を歪ませて笑みを作る少年。





何この子。





「彼氏、怒っちゃってるの?じゃぁいいじゃん、俺と遊びに行こうよ」
「はぁ?」




司が怒ってるのは事実だけど、なんであんたと遊びに行かなきゃならないのよ。
そう口にしようとした瞬間、腕を掴まれた。




ぎゃっ!!




「離してよ」
「なんで?」
「あんたと遊んでる時間なんてないの」

そう言ってるのに、だらしなく口元を歪ませてる少年はあたしの腕を引きながらズルズルと歩き出した。

「ちょ、ちょっと離してってば!!」

さすがにむかついてきて、蹴りを入れようとした瞬間、少年が吹き飛んだ。





・・・・・・。
あ、あれ?
あたしまだ何もしてないんだけど。





周りの視線があたしの頭2個分上に注がれてるのに気づく。
真後ろに誰かの気配。





・・・・・・なんとな〜く、予想はついてたけどね。






そのまま後ろを見上げると、真後ろのでかいオトコに、ギロリと睨まれる。

「・・・・・・この、男好きがっ!!」






な、なんでよ!!
あたしが誘ったわけじゃないじゃないっ!!






そして今度は司に腕を掴まれて、ズルズルと引きずられる。
いつもとは違う力加減に、少し怖くなる。


痛みを訴えても、それは緩むことなくむしろ強くなる一方であたしはもう、されるがままになっていた。




まわりはデカイ男に引きづられて歩いているあたしに興味ありげな視線を投げかけてたけど
ただの痴話げんかだと納得すると、みな自分の世界に戻っていく。




ずるずると引きづられて向かう先はちっともわからない。
司も、きっと自分でどこに向かうつもりなのかわかってないと思う。
視線すら合わそうとしない司の意図をくもうと、一生懸命話し掛けるけど
返ってくる言葉はなくて


そのうち、あたしも声を掛けるのをやめた。




















あてもなくぐるぐるさまよい続けて、たどり着いたのは人気もまばらな公園だった。
それでも、ベンチに座るでもなく歩き続ける司にあたしは従うしかなくて。
左腕を掴まれたまま、冷たい司の横顔をぼんやりと見ていた。







ドカドカと芝生を踏みしめ、大きな木の陰にくるとやっと、腕を開放される。
そのことに気をとられてたあたしは司が何をするためにココにきたのかちっとも解ってなかった。



今までつかまれてた腕を右手でさすっていると、足元に司の影が広がる。




なに?!




顔を上げた次の瞬間、唇を無理やり押し割って入ってくるのは司の舌。
顔を背けようとも、顎を掴まれているので動かすことすらできない。


木の幹に押しやられた背中が少し痛む。


司の胸との間に両腕を入れて押し返そうにも、所詮女の力。
びくともしない。





ちょっと、待って。





そう言いたいのに、言葉にしようとするとあたしの舌も司の舌に応えるようにうごめくだけ。

呼吸すらままならないなかで、太腿に感じる司の手の感触。

その手が徐々に、上昇してくることに焦りを感じて抵抗してみるが
ますます洋服が乱れるだけで何の解決にもならない。




あたしの足の間にある、司の足がわずかに離れる。
それでも、相変わらず司の舌はあたしの舌と絡み合っていたけど
少し足が自由になったことにホッとしてた。




けれど、それもつかの間。
あたしは微かだけど驚く音を耳にする。
それは司のズボンのファスナーが下ろされる音。






えぇ〜〜〜?!






ちょっと、待ってよ!
ここでっ?!






言葉にならない言葉でモゴモゴ唸ってみる。





「少し、黙ってろよ」





やっと唇が離れたと思ったら、再び噛み合わさる唇。



スカートを、たくし上げられ下着をずらされる。



あっ、と思った瞬間一気に押し込まれた。



無理やりの、圧迫感に少し痛みすら感じる。
右足を抱え上げられながらの動きにあたしは、司にしがみつくことしかできない。


立ったままの動きに慣れてくると、今度はあたしの舌を絡めとりながらの動きがもどかしい。
徐々に速まるスピードに抑えていた声が零れる。



「や…んっ」



それに気づいた司が、わざとスピードを落とした。



「・・・男に・・・色目使いやがって」
「ち…ちがう」
「何が違うんだよ」



グイ、っと奥を付かれると再び零れる声。



「やっ!!」



「ほかの男にも、こうして欲しかったんじゃねーの?」


奥を付かれるたびに走る快感に、意識を繋いでいるのがやっとだ。


「・・・ちが…うってばっ!!」
「・・・・・・」
「・・・司と・・・だけだ・・・よ。こう・・・したいのは」






そうなのだ。
こして欲しいのは、司だけ。
キスして欲しいのも。
体に触れて欲しいのも。
司だけ。




先ほどの少年が残していった、嫌悪感は司が触れたことで薄れていった。
たとえ、無理やりでも司にふれられている方が、ずっと嬉しい。







一緒にいろんなもの見たり、感じたりしたいのも


司だけなんだよ。







なぜだか涙が零れた。





悲しいのか
嬉しいのか
気持ちいいのか






なんで泣いているのか自分でも解らない。
それでも涙は止まらない。








零れる涙を、司が唇で拭う。

「・・・わかってる」

そう呟くと司は、再び腰を打ち付けるスピードを速めた。








本当に、司だけなんだよ────








「・・・・・・くっ」






司の動きが止まり、ゆっくりと体が離れた。








肩で息をしながらゆっくりと、芝生の上に座り込む司を夢の中の出来事のように見ていた。
あたしの足首に、だらしなくまとわりつく下着だけがやけにリアルで
薄い紺色の世界でそれだけが現実に見えた。






「ごめん」
俯きながら呟いた司。






あたしは汚れた下着を、丸めると足元に落ちているバックに押し込んだ。






「・・・・・・あんたの焼きもちでこんなことされちゃ、体がいくつあっても持たないわよっ」





気まずそうに顔を上げた司を咎めるように睨みつける。





「まずは、下着買ってきて」



驚きのあまり、言葉も出ないらしい司。



「下着が汚れちゃったの!!買ってきて!!」
「お、俺が買ってくるのかよっっ!!」
「当たり前じゃない。ほかに誰がいるのよ。それともほかの男に頼んでもいいの?」
「ぐっっ!!」










ほほほほほ!
ざまーみろっ!!










自業自得なんだけど、文句を言いつつあたしの下着を買いに行く司の後姿に、さっきまで熱い想いを放っていた舌を出した。




───そして少し気持ちよかった自分は、司には内緒にしておこう。
















■■■■■アトガキ■■■■■

このお話はキリ番4000を踏んでくれたピカリしゃんへの捧げものですっ。
ピカリしゃんのリクは、【凶暴】【甘い】【R】ということだったんですけど…

どこに甘いのがあるのかしら…?(汗)
おまけに司、凶暴すぎ…?(滝汗)

ご、ごめんなさい〜(><)
でもでも、司ってキレると何するかわかんないからっ←いいわけ
つくしもちょっと喜んでたみ(ゴホゴホ)←さらに、いいわけ

あぁ、これでも愛をこめて書いたんですっ。
私の愛が伝わればいいかな、と(苦笑)
え?ピカリしゃんいらない?あたしの愛なんて…
そんなこと言わないでぇ〜(><)

ここ、アトガキじゃなくてイイワケにしようかな、タイトル…(しゅーん)


2003、9,17  momota



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