SKY GARDEN




ぴのこさん 29417  rui × tukushi ***




「類!お前、人の話聞いんのかよ!」


総二郎の冷たい視線を感じて顔を上げると、今度は呆れたような視線を投げつけられる。


「あー、無理無理。類は留学しちゃった牧野のことで頭がいっぱい。だろ?類」


あきらのビンゴな読みに、苦笑しながら手元のあきら開発の抹茶ミルクカクテルを喉に流し込む。




牧野が2年間の留学を決めたのが1年前。
その行き先がNYだって聞いて、快く思わなかったのも事実。
だって、NYには司がいる。




別に牧野や司を信じてないわけじゃないよ。




司がNY行きを決めた時に、あの2人は終わってるし
牧野もいい加減な気持ちで俺のとこに来たわけじゃない、ってわかってる。






わかってるけど。






この子供みたいな嫉妬心はどうしたらいいんだろう。




俺も一緒に行く、って言っては怒られ。
行かないでよ、なんてかわいく頼んでは、上手くかわされ。





そんなことあるわけない、って考えながらも頭の隅で司と牧野が一緒にいるシーンを何度も思い浮かべる。





自分自身でもこんな感情知らなかった。
司と牧野が付き合ってたときでさえ、こんな思いは生まれてこなかったんだ。




なのに。
牧野が自分のものになった途端・・・・・・
誰にも触れられたくないって、思う。





俺以外の、誰にも。





牧野がNYへ発つ前日。
何度も何度も、牧野を抱きながら満足してない自分。




     『今度いつあんたのこと抱けるかわかんないから、いっぱいしとく』

    


そういった俺を、愛しむように抱きしめた牧野の細い腕。
蒼白く月光を映す、白磁のような肌・・・・・
俺の掌にちょうどいい、大きすぎず小さすぎない胸のふくらみ・・・・・・

胸の先端をゆっくりと口に含むと、かわいく洩れる甘い声・・・・・・







「・・・・・・類っ!」





やましいことを考えてた俺は、再び響く総二郎の声にビクッと体を奮わせた。




あぁ、心臓がバクバクしている。




「お前、まじで大丈夫か?」


あきらが心配そうな顔で覗き込む。
こんなときのあきらは、すごく優しい。
大丈夫、というように右手を上げるとあきらが口元だけで笑みを零す。


「・・・・・・そんなに会いてーんなら、行ってこいよ、NY」


反対に、総二郎は面白がってるみたいだ。
総二郎のニヤニヤ笑いが気に食わない。


「別に・・・・・・そんなんじゃないよ」


フイと、視線を逸らすけど・・・・・・
総二郎の言葉がぐるぐる巡る。







『行ってこいよ、NY』







NYか・・・・・・・・・







司の笑顔と、牧野の笑顔がゆっくりと重なった。




■■■■■



そっとベットに腰を下ろすと、スプリングの軋む音がする。
首元に掛けたバスタオルをそのまま頭に持ってゆくと、無造作に髪を拭く。
牧野にはよく「そんな拭き方じゃ、せっかくのサラ髪が痛む!」って怒られたけど・・・・・・




そんな牧野の声すらも、懐かしい。
あんたに逢いたい、って想いばかりが篭って。
体が熱くなるばかりだ。




ギシリと体勢を変えるごとに軋むスプリングに、牧野の甘い・・・・・・それでいて女を感じさせる声が重なる。




ゆっくりと耳にキスを零すと、震えるように首をすくめる仕草。
背中に舌を這わせるたびに、潤む瞳。
腰を沈めた途端、吐かれる少し苦しげな吐息。




牧野の何もかもが俺に熱を持たす。




ゆっくりと牧野の中に自分自身を押し込むシーンを想像しながら、俺はたまらず硬くなり始めたものに手を伸ばした。




腰を深く沈めるたびに上気する頬。
甘い快楽に飲み込まれぬよう、下唇を噛むクセ。
そのワリには昇りつめる瞬間動きを止めた時の恨めしげな瞳。




自分の掌で絶えず刺激を与え続ける。
想像の中で、牧野を抱きながら。




牧野の零す声や、達する瞬間の表情を少しづつ、少しづつ思い浮かべながら。




「・・・・・・っ」




額から汗が一つ、顎まで滴り落ちた。
荒めの呼吸はいつもとは違う自分を見せてくれる。
自分の心音が耳元で大きく響いている。




ゆっくりと零された熱。
牧野への想い。








俺は、こうすることでしか想いを放出する術を

─────知らない。










乱れる呼吸の中
もう一度、シャワーを浴びると俺はパスポートを手に取った。



■■■■■



古めの木製のドア。
かなり年季の入ってそうなソレを中指でノック。
中から、懐かしい・・・・・・と言っても3ヶ月ぶりだけど。
リアルな愛しい人の声がする。



ガチャリ、と重そうな開錠の音。
数cmだけ開けられた、見知らぬ生活の空間。



その数cmの隙間からかわす、なんともいえない視線。


「ギャッ!な、ななななななんで!どうして類がここにいるの?!」




あんたのその驚き顔。
・・・・・・相変わらずだ。




ガチャガチャとチェーンを外し、あわただしくドアを開けて呆然と立ったままの牧野。
そんな牧野をしっかりと抱き寄せた。




「・・・・・・我慢できなくて。来た」




耳元で零された俺の言葉に我に返ったらしい牧野は、俺との間に腕を入れて押しやるとあたりをキョロキョロ見回した。




「は、恥ずかしいよッ」
「・・・・・恥ずかしいよりも、あんたのこと抱きしめたい気持ちのほうが多い」






そう、もうやめたんだ。
くだらない嫉妬や、プライド。
そんなもの、いらない。
俺は牧野さえいれば、いい。
牧野さえいれば・・・・・・俺の世界は成り立つんだ。




牧野が俺の真ん中にいてくれれば、それだけでいいんだ。




それで、いいんだ。







「と、とにかく中に入って」




言われるがまま、部屋に入ると・・・・・・
やっぱり牧野は牧野で。

日本から持っていったものも多かったせいだろうか・・・
なぜだか牧野がずっと一人暮らしをしていたアパートを思い出した。






冷蔵庫を開けて、飲み物を探っている牧野の腕を引く。
予期していなかった力に、牧野は簡単によろめいた。

俺は、そんな牧野の口唇を掠め取る。
初めは優しく、次第に熱く。




初めはバタバタ暴れていた牧野だけど。
次第に、ゆっくりとだけど・・・・・・舌で応えてくれて。




嬉しくて嬉しくて、思いっきり熱烈なのを返した。




そのまま、横目でベットを探して
ゆっくりと牧野ごと移動。




ほんとは、そのままキッチンで、でもよかったけど。
3ヶ月ぶりのことを考えたら、やっぱりゆっくりベットで抱き合いたかった。




ベットに押し込むと、慌てた牧野の少しの抵抗。
少し強めに、押さえ込みながらゆっくりと額、瞼、頬、口唇にキスを落とした。



「我慢できなかったんだ」
「・・・なにが?」
「あんたのこと抱きたくて」
「ちょ、何を突然!!」
「・・・・・・会いたくて。抱きたくて日本から来た」
「・・・・・・そ、それだけ?!」



牧野が目を見開くのをみながら、掌を脚に移した。


「それだけ」


そう言ったら、大好きなあの笑顔で笑われた。


「ったく、類らしいっちゃ類らしいけど・・・・・・」


そっと背中に回された腕に、俺は安心しながら舌で牧野の鎖骨を辿る。



「・・・・・・んっ」



予想通りの反応に、ますます自分を止められない。
いつもより、随分早い反応の自分自身にもちょっと驚き気味だ。
久しぶりなのもあるかもしれない。
けれど、気づいちゃったんだよ、俺。





牧野なしじゃいられないことに。








ゆっくりと這わせた舌を、胸の先端に移動させると体が跳ねるように動いた。
下着をずらして無理やり露出させた胸は、見るからに窮屈そうだ。



そっと、牧野の様子を盗み見ながら足の付け根に指を移動させる。
湿り気を帯び始めたそこは、俺に負けないくらい熱くて。



ゆっくりと指を差し入れると、絡みつくような熱さが指先に伝わる。



「・・・・・・やっ。る、類っ」



俺の背中に回された腕に力がこもる。
指先はきっと俺のTシャツを握り締めてる。
そしてそれは、天使の羽のような模様を残すんだ。





愛しい人が残す、天使の羽。愛し合ったしるし。
それは今の俺には一番大事なものに思える。




指の出し入れする速度を速めると、途端に高くなる牧野の声。
それを聞きながら、俺はたまらなくなって自分自身を押し入れる。




この高揚感はまるで、はじめて牧野を抱くみたいだ。
壊れないように、傷つけないように。
そっと。ゆっくり。
けれど、自分で自分を抑え切れなくて。





何度も何度も、飽きることなく体をあわせた。









「・・・・・・牧野?寝ちゃった?」
「ん・・・起きてる」




貪欲に性欲のみを求め、満足しきると途端に眠気に襲われる。
あぁ、人間なんて単純なんだなって思う。

日本にいた頃は、眠りたくても眠れない夜ばかりを過ごしてたのに。
自分の欲求が満たされた途端訪れる、優しい眠り。

体のだるさをそのまま、ベットに移すようにうつ伏せになった。

顔を横に向けると、牧野の白い背中が呼吸するたびに、ゆっくりと動くのが見える。
肩甲骨がゆっくりと上下する様は、まるでできたての羽を動かしているみたいだ。



背骨に沿って指を這わすと、牧野がくすぐったそうに顔をこちらに向けた。



「俺さ・・・・・・」
「ん?」



牧野の頬にかかる髪を耳に掛けると、俺もまったく同じことをされた。



「俺・・・・・・はじめて一人でしちゃった」
「何を?」
「んー・・・だから、あんたのこと抱きたくて我慢できなくて・・・・・・」
「ギャッ!!わかった!わかったからそれ以上言わないでいい!!」



あわてて俺の口を押さえる牧野。



なんでだよ。
俺はそんなにも牧野のことが好きだってこと、言いたかったのに。



「・・・類。普通、そういうこと・・・彼女に言わないよ?ま、まぁ浮気されるよりはいいんだけどさ・・・・・・」



ぶつぶつと、苦情を呈する牧野。



「・・・・・・俺は愛情表現の一つなんだけど?」
「わかった、わかった。しっかりと伝わったから。類の愛情」




そう言って笑う牧野。




俺の熱を上げるのも
俺の熱を受け止めてくれるのも




牧野だけでいい。



脱ぎ散らかされたTシャツの背中に見つける、天使の羽。
そして今、背中にも赤いそれがあるに違いない。


俺にもできてる出来立ての天使の羽を見ながら、そう、思った。




おしまい







■■■■■アトガキ■■■■■

こちらは、ぴのしゃの裏庭29417(つくしいーな!)←しつこい
のキリリクですー!

えーと。リクはオトコの背中(笑)
司でも、仔仔類でもどっちでも書きやすいほうでいいよ?と言っていただいたので・・・
3分悩んで(3分かよっ)仔仔ルイルイに決めさせていただきました。


で、なぜオトコの背中がルイルイの一人Hに繋がるのでしょうか。
・・・・・・私にもよくわかりませんが。ま、ぴのしゃのリクっつーことで(笑)
なんてうそうそ、チャットで話してた時この話題が出たんで、ついでに(←!)そんなシーンをいれて見ました。
ついでで、入れていいシーンかどうか疑問ですが・・・・・・ま、ほら、ここ裏庭だから。うん。


一人Hってさ、なんだか背中のイメージあるよね?ね?
あ、あたし達だけっ?!注:あたし達=ぴのしゃも入ってるわよ(爆笑)


もっと、あきらや総二郎のシーンを入れたかったけど・・・・・・
なんせリハビリ中なんで(苦笑)
感情移入難しかった、と正直に書きなさい!あたしっ!


ではでは、なんだか異色なものになってしまいましたが(爆)←お前が書いたんだろう、っつー話ですね。


・・・・・・出来上がりメールを送った時に、冗談で
「これからラストスパート。縛りのシーンがんばるから」
と送ったら、
「紐は細めでおねがいね♡」
と返信くれた、そんなぴのしゃが大好きです。

たっぷりと愛を込めて。


2004,7,7   momota




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