SKY GARDEN










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何回体を重ねれば飽きるんだろう。

何回お互いの汗を吸い取れば潤うんだろう。




何回でも。
何百回でも。



壊れるくらいに抱きしめて。









いつもの部屋。
ルイがあたしを抱くときは、必ずこのホテル。この部屋。






「ね、ルイ。ずっと聞いてみたかったんだけどさ・・・・・・」
ベット上でさりげなく切り出したあたしを
なに?という表情で見上げた彼の表情はまだ幼い子供のようで
さっきまでの激しいルイとは、重ならない。


「・・・まき・・・のさんだっけ?ルイが好きな人。彼女とは寝たの?」

「・・・・・・」



ルイの表情は何も変わらなかった。


あれ?あたしの予想は外れてた?あたしはしてる、と睨んだんだけどなぁ。



「・・・2回だけ、寝た」

「え?」

「17んときと、24のとき」

司と上手くいってないときに、つけこんだんだ・・・って笑ったルイ。
ちょっと寂しそうに微笑む横顔がなぜか幸せそうに見えた。




「17んときは、NYで。牧野が司を追いかけてきて、追い返されてぼろぼろになったとこに付け込んだ」


ヤな男だろう?って同意を求められても・・・ねぇ。


「24んときもやっぱり、司と上手くいってなかった。結婚決まったばかりであいつも不安だったんだと思う。結婚やめる、って言い出してさ」




言葉が途切れたことを不思議に思ったあたしはルイを見つめると
ルイはあたしを見ていた。



その真っ直ぐな瞳にはあたしが映っているけど、ホントは誰を映しているの?






ルイは視線を逸らさずに、唇だけ動かした。




「・・・ここで、抱いた」







やっぱり。




あたしは代わりなんだね。
牧野さんの代わり。


最初はそれでいい、と思ってた。
でも、


でも今はいやだ。

けど言えない。




言えない。

今そんなことを言ったら、きっとルイはスルリとあたしの腕から逃れてしまうから。


















ふわりとルイの髪が頬に触れた。

ひんやりと冷たい手が体中を彷徨う。



牧野さんを探してるの?
牧野さんを求めてるの?






ここにはいないよ。
ここにはあたしだけ。



早く気づいて。
早く、早く。












「・・・んっ。・・・ね・・・ルイ・・・」
ルイが規則正しく動く中あたしはルイに尋ねるの。

(なに?)

瞳で答えるクセ、もう覚えちゃったよ。




「・・・10・・・年後・・・あたし・・・たち・・・どうし・・・てる・・・かな」


途切れ途切れに告げた質問。
ルイはぴたりと動きを止めて、微笑んだ。


「さぁ。まだあんたとこうしてるかも知れないし」


グイ、と腰をあたしの奥に沈める。


「・・・んっ」


一瞬で汗が吹き出す。


「牧野を取り返してるかもしれない」



ルイの顔が、意地悪く微笑んだ。








眠りに落ちる直前、微かに聞こえた声。


「───ごめん」



呟いたルイの言葉にあたしは聞こえないフリをした。












願わくば───
10年後も、彼の下で彼の汗を受け止めらんことを────







おしまい




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