SKY GARDEN










アイタクテアイタクテ   rui × other ***







あいたくてあいたくてあいたくて




最近ルイから連絡が来ない。

連絡を取ろうと思って携帯に電話をしてもいつも留守電。
最初は、仕事が忙しいのかな、なんて思ってたけど・・・







きっと違う。
あたしは避けられてる────









ずるいよ。
あたしのことこんなにしといて。







そんなときルイからの電話。



「────会いたいんだけど、平気?」






あのホテルの部屋で待ち合わせた。
パークハイアット
2447。











きっと今日が最後になる。
そんな予感。









見慣れた廊下をいつもとは大分違う足取りで部屋まで向かう。








部屋に着くと、ルイはいつもよりは全然ラフな服装でソファーの背もたれに腰を下ろし窓の外を見ていた。


あたしに気づくと少し微笑んでからグラスに入ったワインを差し出す。
あたしはおとなしくグラスを受け取った。


あたしを1回見ただけで、そのまま窓の外を見下ろしているルイは何を考えてるのだろう。 いつも自分を見せない人だったけど、今日はやけにポーカーフェイスで……。
たまにグラスを口に運ぶけど、ワインは全然減ってないように思えた。




「・・・ジーンズにワイン?変なの・・・・・・」
沈黙が怖くて、口を開いた。


「カッコなんてなんでもいーの。味は同じでしょ」


そう言ってあたしを見つめる瞳で、本当は誰を見てるの?
その瞳には、誰が写ってるの?










「・・・・・・もう、おしまい?」


ルイの瞳が少し見開く。
いきなり本題に振るあたしもあたしだけど、ルイだってそのつもりできたんでしょう?




ビー玉のような瞳を少し伏せたせいで、頬に睫の影ができた。
男の人なのに、綺麗だと思った。




「あたしじゃ、牧野さんの変わりになれない?」



声が震える。
泣きそうだ。
絶対泣かないつもりで来たのに。



「ほんとは嫌だけど、ルイの傍にいられるんだったら牧野さんの代わりでもかまわないよ」

一気に言うと、堪えていた涙がはたはたと、スカートを握り締めていた手に落ちる。
顔を上げることができないでいるあたしは、ルイがどんな表情(かお)をしているのかわからない。
手の甲から伝って落ちる自分の涙を見つめながら、ルイの言葉を待った。




「・・・牧野の代わりだなんて、今はそんな風には思ってないよ。あんたはあんただ。 誰かの代わりじゃなく、あんただよ」




「だからっ!あたしが牧野さんの代わりでいいって言ってるでしょ!あたしが言ってるんだから、いいのっ。ルイは、素直にあたしに牧野さんを重ねてていいのっ」



『だからあたしを傍に置いて』
最後に言いたかった言葉を思わず飲み込む。




何を言ってるんだろう、あたしは。





今までだってこんなシーンいくらでもしてきた。
でも、いつもあたしは逆だった。怖いくらい落ち着いていたんだ。




こんなみっともない真似してまでルイと一緒にいたい。
ルイを離したくない。







ここまで好きにさせといて、ずるいよ。








「・・・誰かの代わりなんて、できないんだよ」

ルイが呟くように、諭すように言葉を続ける。


「・・・はじめは俺、あんたと牧野を重ねてた。あんたのこと抱くたびに牧野を抱いた気持ちになってた。けど、違うんだよ。抱けば抱くほど違うって気づくんだ」




「だから・・・もう会えないの?」

ルイの瞳から目が離せない。
きっと、メイクもぐちゃぐちゃだろう。
けどルイの真ん中を知りたいから。あたしは目を逸らさない。
抱かれていても触れることのできなかった部分。
今なら、覗き込むことができるかもしれない。





「ルイが辛いから・・・こんな関係終わりにするっていうの?そんなのずるいよ。あたしはどうなるの?こんな気持ちにさせといて。都合のいいこと言わないでよっ!」

興奮して立ち上がってしまったあたしをなだめる様に口を開く。


「それもあるよ。俺が辛い。けどそれ以上に…俺の自惚れなのかも知れないけど────あんたが辛そうだ」




あたしが辛そう?




「あんたこの間、聞いたよね?10年後は何してるだろう、って。
 俺は・・・10年後も今と同じだよ。



 牧野を愛してる」







俺の為にあんたの人生狂わすことないよ。
そういって微笑んだルイはなぜだか少し疲れているように感じた。
















なんて都合のいい男。



それでも、泣きながらのキス。

もうここで会うこともない。

この部屋で一人になるのは辛いから、あたしが先に帰るからね。

バイバイ、ルイ。





最後に言われた言葉が頭に響く。





「・・・あんた見てると自分を見てるようで、辛いんだ。あんたの気持ちが痛いほどわかる。
 こんな想いを背負っていく人生なんて・・・俺だけで十分だよ。
 あんたはまだ間に合う。やり直せる」




ルイは、あたしに牧野さんを重ねていたわけじゃないんだ・・・



あたしに自分を重ねていたんだ・・・






ルイを想うあたし。
牧野さんを想うルイ。








ルイ・・・
こんな想い・・・ずっとしてきたの?
これからもこんな想いを背負っていくの?





あたしは、やり直せるのかなぁ・・・・・・



ルイに出会う前に戻れるのかなぁ・・・・・・






























───ルイと別れてから10年が経つ。
あたしは、というと相変わらずな日々を過ごしている。



ルイは、のんびりやってるみたい。
10年前のあの日以来会ってないけど、うわさに聞くと、どうやら近々すごいお嬢様とお見合いするみたい。


さすがにあの年で独身通してると、お見合いの数もすごいわよねぇ、なんて思ってみたり。
けど、同情はしないわ。あたしを選ばなかった罰だもの。



結局あたしは、ルイと出会う前には戻れなかったけど
今は大分優しい想いで振り返られる。





けどルイは今もあの想いの中で暮らしているんだろう。






彼女への想いが少しも色褪せることなく、
泣きたくなるほどの切なさの中で、生きている。





最後に抱かれた夜に願ったことは、叶いそうもないけど・・・・・・






それでも、毎夜祈らずにはいられない。











神様
願わくば、彼に想いの開放を────







おしまい


















■■■■■アトガキ■■■■■

いやー、ごめんなさい。ルイルイなんだかただ女の子をもてあそんだ!!みたいな男になっちゃって(てへ)
しかも彼女のこと1回しか名前呼んでないしっ!・・・っつーか呼ばせてないのあたしか(汗)
そもそもルイルイ、彼女の名前覚えてるのかしら・・・?
とりあえず、このシリーズ(?)はこれでおしまい。


一応ね、ホテルについて(パークハイアット)ネットで調べてたんだけど、
一番高い、プレジデントスウィート一泊、500000円なり〜。
気が遠くなったわ(笑)←さすが一般市民。
ルイルイ、つくしのためならそれくらいポーンと出しそうだけどね(っていうか彼に金銭感覚求めてもだめね・苦笑)


最後のお話はHシーンなかったけど、わざとですー。
だって最後にヤッておしまいなんて、それこそ水祈ちゃんかわいそうだもん。
ずっと引きずっちゃいそうだしね。

ただでさえ、これじゃセフレじゃんか!!状態なのにさ(笑)え?セフレじゃなかったの?って突っ込みはナシヨ!

まぁ、ほとんど女の子視点なのでルイルイが何を思って彼女を抱いていたのかよくわかんないけど(笑)
ルイルイはルイルイなりの思いがあった、ということで・・・
〆め!!
脱兎のごとく、逃げます〜。
読んでくれてありがと〜〜〜!!バピューーーン!

momota



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