司 Scene6
「やっぱ、身長でかいといいよねぇ」
ため息と共に吐き出された言葉に、司がむっとした表情で降ろしたばかりの箱を差し出した。
常々思ってたこと。
もともとF4みんな、身長が高かったけど。
その中でも司が一番、大きかった。
一緒に並んでいても、頭一つ分違う司。
あたしも、もう少し身長があったらなぁ。
そうすれば、ホンのちょっとでもお似合いのカップルに見られたのかも。
あたしたちがちっとも釣り合わない理由を、すべて身長の所為にするつもりもないのだけど。
でも、これもあると思うんだよね。
「……脚立代わりに俺のこと使っといて、礼くれぇ言えねーのかよ」
すっかりと無視されたと思ってる司は、再び押し付けるように箱をあたしに差し出すと
ソファーに腰を下ろし、冷めてしまったコーヒーをガブガブと流し込んだ。
「つーかさ、でかいって言っても…お前だって160はあるだろう?25cmしかちがわねーじゃん」
たいしたことないように言うけど。
25cmって、だいぶ違うと思うんだけど。
同じ位置に並んでいても、見える景色は全然ちがくて。
同じ位置に並んでいても、彼の見てる景色はけして見ることができない。
なんてことを思ったら、なんだかとっても悲しいことのように思えてきてしまった。
それはまるで、いつまでも司に追いつけないような…。
25cmの差が、あたしたちの超えられない壁のように感じて。
箱を受け取ったまま急にしょんぼりとしたあたしに気を使ってか、司はあたしの頭をくしゃりと撫でる。
「ま、あれだ。俺のほうがオマエのこと25cm分、多く想ってるっつーことだな」
なんて言われ。
下からの見慣れたアングルがいつもよりも、数段いいものに思える。
けど。
「……たった、25cm分だけ?」
もっともっとと望んでしまうのは、仕方がないことでしょう?
司の位置から見える景色に憧れるように。
司も、あたしにもっと焦がれてくれればいい。
そうすれば、おあいこだもん。
「『たった』とか、言うなっ。俺にとっちゃ、いっぱいいっぱいだっ!」
いっぱいいっぱいって。
どーゆ意味よ?
あたしは眉間に皺を寄せて、司に視線を投げる。
「…オマエのこと、これ以上好きんなったら、俺さすがにもうヤバイわ」
突然の告白に、思わず息が止まる。
「な、なにを突然…」
動揺を隠しながら、真顔で聞き返すと
司は相変わらず視線を合わせてくれないままで。
「だから、オマエはそのまんまでいいってこと」
真っ赤になりながら、あたしの頭をさっきよりも強引にクシャクシャと撫でる司に
緩んだままのだらしない笑顔を、指摘されてしまった。
けど、いいの。
こんなあたしも、好きなんでしょ?
おしまい
2006,4,3 momota
拍手、ありがとう(≧∇≦)
(拍手お礼SSでした)
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