類 Scene6
「あったかいね」
「・・・うん」
「なんだかこんな陽気だと、ほんとに眠くなる」
「・・・うん」
「花沢類は、このあと講義ないの?」
「・・・うん」
「・・・。花沢類、起きてる?」
「・・・うん」
ほかほかのコンクリートは、俺の思考回路まで奪ってゆくようで。
牧野から渡される問いかけには、すべてYesで答えてた。
たいしたことを聞かれてたわけじゃなかったし、
牧野もうとうとしてる俺のこと分かってるって思ってたから。
「眠いの?」
「・・・うん」
「あたしね」
「・・・うん」
「・・・道明寺と、別れた」
「・・・うん」
「・・・・・・」
「・・・え?」
むっくりと起き上がった俺の目に映ったのは、照れくさそうに俯いた牧野で。
「まじ?」
「まじ」
あまり意識の働かない頭から搾り出された言葉は、なんも気も利かせられないただの言葉で。
「やっぱ、だめだった」
「・・・うん」
「一緒にいないと、ダメなもんだね」
「・・・うん」
照れくさそうと思ったのは、俺の勘違いで。
牧野の頬に濡れた痕があった。
「牧野?」
「ん?」
「好きだよ」
「は?」
「んー。元気出してもらおうと思って」
「・・・ばか」
でも、誰かが自分のことを必要としてくれるってなんか安心するだろ?
俺だってそうだったんだ。
それがたとえ司の事でだって頼ってくれるあんたの存在が、どれだけ俺を救ってたか。
知らないだろ?あんた。
「ずっと、好きだから」
「・・・うん」
恥ずかしそうにわたわたする牧野の様子を見て
やっぱり小動物みたい。なんて思ったのは、ナイショにしておこう。
おしまい
2004,9,26 momota
いつかこんな日も、くるのかにゃー。
願ったり、願わなかったり・・・(苦笑)
3人それぞれの幸せを願いつつ・・・・・・
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