SKY GARDEN
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類   Scene5











右手を差し出すと、ゆっくりと重ねられる白い指。


ゆっくりと屈むと、牧野も恐る恐る足を折る。
ふわりとしたスカートが、床に付くか付かないか、ってとこで再びふわりと広がった。


ぺこりと可愛らしく挨拶を零す牧野に、そっと耳打ち。


「いい?ゆっくりでいいからね」
「う、うん。がんばる」


がんばる、と口にした通り体はガチガチで。


そんな、力いっぱい力んじゃターンすらできないんじゃないの?
まぁ、俺もダンスなんて好きじゃないんだけど。

少なくとも牧野よりは経験があるわけで。



スローめのテンポにもかかわらず、牧野がもたついてる。


まったく、なんでいきなりダンスなんだか。


っつ!


ボンヤリとしながら決まった順番に足を運んでいると
鋭い痛みがつま先を襲う。


ジンジンと痛むそこを見つめると、やっぱり想像してるものがちょこんと乗っていて・・・・・・



「やっぱり・・・・・・」



呟いた俺の言葉に牧野は、急いで俺のつま先から自分の足をどける。



「ご、ごめんっ」



「ね、牧野。一つ聞いていい?なんで今さらダンスなのさ」
「・・・・・・」



いくら待っても牧野の口は開かなくて。
俺も諦めて、ずっと俯いたままの牧野の白い腕をひいた。


「おいで。んで、自分の足・・・俺の足の甲に乗っけてみな」
「え?なんで?」


うっすらと涙目のまま、顔を上げた牧野は不思議そうに俺に言われた通り靴を脱ぐと、
自分の足を俺の足にそっと重ねた。



「いい?動くよ?」


そっと、流れてる曲に合わせてステップを踏む。


「イチ、ニ、サン、イチ、ニ、サン」


牧野が驚いてしがみつく。
それがまた心地よかったり。


「分かった?コレがワルツのステップ」
「花沢類、踊れるの?!」


見上げた瞳には涙と、期待が浮かんでいて。
牧野に隠れて、苦笑した。


「ん。まぁ、一応は。踊らないのは、嫌いなだけ」


牧野を抱えてリノリウムの床にそっと下ろした。


「で、なんで今さらダンスを踊りたいのか教えていただけませんか?お姫様」


冗談めかして笑いかけると、牧野は真っ赤になって俯いた。


「・・・だ、だってプロムの時・・・・・・花沢類とだけ・・・踊ってなかったから・・・・・・」



しどろもどろに返された答えに、こっちが絶句。



「花沢類・・・踊れない・・・って言ってたからさ・・・一緒にレッスンできたらなぁなんて思って・・・」



そんな何年も前のこと・・・なんで今さら?



言葉にしたつもりじゃなかったけど、どうやら顔に出てたみたいで。
牧野の頬が膨れた。


「あー!なんで今ごろ?!とか思ってんでしょー」
「まぁね」
「花沢類には今ごろかも知んないけど・・・あたしはずーっと気にしてたのっ」



付き合い始めて数年経つけど
やっぱり牧野には分からないことがいっぱいだ。


ワルツのゆったりした曲が流れる中、そんなことを実感したある日の午後。





おしまい


2004,9,26     momota






仔仔スキーの人は、元ネタ分かるかしら?(苦笑)
てか、つくしは、しつこい、と・・・_φ( ̄ー ̄ )メモメモ






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