類 Scene15
いつもの眠り王子は、やっぱり今日も眠ってばかりいて。
あたしは飽きもせず、王子の寝顔に見入る。
「……うちの眠りの王子は、お姫様をほったらかしですねー」
類に言ったわけじゃない。どちらかといえば、独り言に近かったのに。
「ほったらかしじゃないよ。ちゃんとお姫様を満足させてからの睡眠なのです」
類が起きてたのもそうなんだけど。
彼のセリフに驚いたあたしは、慌ててシーツを胸元までたくし上げた。
「ちょ、ちょっと!起きてるなら目、開けなさいよ!」
一気に、顔だけ熱くなった。
先ほどまでの、甘い時間を思い出したからでも。
裸で並んでる今を想像したからでも、なく。
(ほんとは、ちょっぴりあるけど)
自分をお姫様になぞらえてた独り言を聞かれた所為だ。
「眠りの王子はお姫様のキスで、すぐに起きるんだけどなー」
あたしの心境なんて、知りやしない類はとんでもない事を言い出した。
類が目を瞑ってくれててほんとによかったと、安心のため息が出そうだ。
きっとこれ以上ないくらい、顔が赤いに違いない。
「や、やだよ」
ばふりと、枕に突っ伏してみる。
熱くなってる頬に、さらりと乾燥している布地が気持ちいい。
「なんでさ。キスしてくれたら、いいこと教えてあげるのに」
ぴくりと、肩が反応するゲンキンなあたしだ。
「……いいこと?いいことって、なに?」
こっそりと、目元だけ枕から覗かせる。
「やだよ。キスしてもらってないもん」
こんのーー!我侭王子!
無言なあたしを悩んでると思ったのか、早く早くと急かす彼。
「ほ、ほんとうにいい事なんでしょうね?」
ウン、と瞼を下ろしたまま頷いた類に覚悟を決めると
そっと柔らかそうな口唇に、自分のそれを近づける。
触れ合うか触れ合わないか、というごく軽いキス。
それでも類は満足そうに頷くと、綺麗な薄グリーンの瞳を細めながらあたしを柔らかく抱きしめる。
恥ずかしくて、顔を上げれないで類の白い胸元ばかり見てるあたしの耳元で、囁くように口にした「いいこと」
『お姫さまのキスで目覚めた王子さまは、真っ先にお姫さまを抱きしめます。
そして、二人は結婚していつまでもいつまでも幸せに暮らしましたとさ……』
おしまい。
2006、9、2 momota
拍手お礼SS。
なにこの乙女ちっくなプロポーズ←一応、アレ…プロポーズなんですよ。ハイ。
類だから、許される言動だわな。
今、GS2プレイ中のため、いつにもまして脳内がピンクです。
あしからず。
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