SKY GARDEN
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息もできない     rui ***







時間が止まる気がする────





たとえばそれは

待ち合わせで現れた、花沢類をみたとき


たとえばそれは

普段あまり笑わない花沢類が笑顔を零したとき


たとえばそれは

柔らかい日差しを受けながら、うとうと、と眠りに吸い込まれる花沢類を盗み見たとき




呼吸するのさえ、忘れてしまう。





「・・・牧野、・・・牧野!ま・き・の!!」

あまりにも、見惚れているあたしに呆れてか花沢類が言葉を荒げる。
けど、そんなことにすらあたしの鼓動は大きくなる。




好きで好きで好きで
どうしようもないくらい好きで




これ以上、好きになったらきっとあたしは壊れてしまうと思う。

思うのに、それを面白がるかのようにどんどんとあたしの気持ちを加速させる花沢類。
意識的にしているわけじゃないのは分かってる。


けれど、もうこれ以上好きになったらあたし、息を吸うことすら忘れてしまいそうだよ。




「牧野ってば!!」
少し不機嫌そうにこちらを伺う花沢類でさえ、好きだ、と思う。



そうとう、だわ。これ。



右手を額に当てると、ハァ、とため息を零す。



「・・・ちょっと何、ため息なんてついてんの。ため息つきたいのはこっちだよ」

ぐい、と額に当ててた右腕を引かれた。
そしてそのまま、花沢類が横になっていたベットの上に倒れこんだ。



「・・・あれ?牧野顔赤いよ・・・」
鼻が触れ合うほどの距離。



うきゃぁぁぁ。



ゴチリ、と花沢類の綺麗な額があたしのソレと合わさる。



うきゃぁぁぁ、うきゃぁぁぁ。




「・・・ますます赤くなってきた。けど熱・・・ないみたいだけど・・・」




ちがう熱なら、もうオーバーヒート気味です。
なんてこと、言えるわけもなくブンブンと顔を横に振る。



「げ、元気!元気!!ちょっと考え事!!」



怪訝な顔で、見つめる花沢類。




「・・・なら、いいんだけど」




ふわり、と微笑む花沢類に再び呼吸を忘れる。




「でもさ・・・」


腑に落ちない様子でであたしを軽く睨む薄いグリーンの瞳。


「な、なに?」












「俺と、一緒にいるときは俺のことだけ考えてよ」
























「なーんて言ってみたりして」
ニカッ、と笑う花沢類。



ゴフッ、げほっ、げほ!!
急に咳き込んだあたしを、胡散臭そうにみつめる。





・・・ほんとに息を吸うのを忘れた、ある日の午後。






おしまい



2003,10,7 momota





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