SKY GARDEN
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星に願いを (10000hit)   rui × tukushi ***




♪〜♪♪〜♪〜



微かに響く音に、浅い眠りから戻ってくる。



・・・・・・牧野?



どことなく聞き覚えのあるその曲が牧野の口から流れていることに気づくのにそんなに時間はかからなかった。



窓辺で蒼い空を見上げながら少し切なげなメロディーを口ずさむ牧野をこっそりと盗み見る。
そんな俺に気づくこともなく、真っ直ぐな瞳で空を見上げる牧野。
その瞳で・・・何を見てる?







続きを歌うことができるのにどうしても曲名を思い出すことができない。
しばらく牧野の歌を聞いていたかったけど、なんだかすっきりしないのもいただけない。
で、結局牧野の歌を中断させてしまう。


「・・・何の・・・曲だっけ。それ・・・・・・」




「わぁ、びっくりした!!」
俺の部屋の窓から空を見上げていた牧野が驚いた顔で振り向くのを、ベットの上で眺めていた。



「起こしちゃった?ごめん」
そういってこちらに向かってきた牧野の為に、俺は少しずれて牧野のためのスペースを作る。

ゆっくりとベットとシーツの間に体を滑り込ませながら、ちゃんと俺が空けたスペースに収まってくれるのがうれしい。



「・・・星に願いを、だよ」



あぁ、そうか。それだ。



すっきりした俺はそのまま、牧野を抱き寄せる。
ゆっくりと俺に体を預けながら囁くように口にした牧野。



「・・・星に願い事をすると、ほんとに叶いそうな気がしない?」

牧野は視線を、開けたままの窓に向けた。
月光ほど明るいわけでもなく・・・かすかに瞬くのは、星の光。
問いかけても何も返してくれない星の光は、少し冷たくも感じる。


「なんか願い事でもあるの?」
「ううん。もうほとんど叶えてもらった」
少し恥ずかしそうに、俺の胸元に顔を寄せる牧野の頬が少し赤い。



「類と一緒にいれますようにでしょ、類が幸せになりますようにでしょ、類が・・・
「ちょっと、全部、俺のこと?」
「なんでー?いいじゃん」



くくく、と零れる笑みを隠しながら牧野をみると、ちょっとふくれていて・・・プイ、と横を向かれてしまう。



あれ?すねちゃったかな?



入ってきた時と同じようにゆっくりと起き上がると、ベットに膝を立てて座る牧野。
そんな彼女の動きにつられて、俺も体を起こした。
サイドテーブルに置いてあるミネラルウォーターを掴むと、そのまま牧野の背中に寄りかかった。



背中からジワリ、と牧野の体温が伝わってくる。
ペットボトルの蓋を片手で開けると、中身を少しだけ口に含んだ。



「・・・あとは・・・」
「──ん?あと?」
「あとは・・・、道明寺のこと・・・お願いした」


少し躊躇いがちに口にされた名前は、親友のもの。
牧野のことを忘れてしまった、牧野の好きだった男のもの。



「道明寺が・・・早く・・・過去から開放されますように・・・って」



牧野のことを忘れた司は、昔にくらべ鋭さはなくなったけれどやはり牧野と付き合っていた頃の柔らかさも失っていた。
そして、何を忘れたのかすら思い出せない自分にイラついている。

もう、5年もそんな状態。

何とかして、牧野のことを思い出させようと
俺たちも、牧野もがんばってはみたけど・・・無理だった。



「あたしには、類がいてくれて・・・そばにいてくれて・・・また歩き出すことができたけど・・・・・・道明寺は・・・



俺は、思いっきり頭を後ろに反らした。
それは鈍い音と共に、見事に牧野の後頭部にヒットする。



「イタっ!!」
「大丈夫だよ。そんなに考え込まなくても」
「・・・」
「お星様は、あんたの願い事全部叶えてくれたんだろ?じゃぁ、今回だって叶えてくれるでしょ」



(大丈夫だ。司はそんなに弱い男じゃない。誰が見たって無理なあんたとの恋愛を貫こうとした男だよ?もう、忘れちゃったの?
 きっと先に向かって歩き出すときがくるよ・・・・・・)



後ろで擦れるシーツの音と牧野の動く気配のあと、再び訪れる温もり。
俺の腰に回る細い腕。
背中に牧野の頬があたる感触がする。



「・・・あたし、道明寺にあたしのこと思い出して欲しいとか・・・思ってないよ?」
「・・・わかってるよ」
「もう、過去に囚われないで未来(さき)を見て進んで欲しいの・・・道明寺に」
「うん、そうだな・・・・・・」
「類・・・・・・、好きだよ?」
「それもわかってる」



「すっごい、自信」
笑いながら首筋に落とされるキスに、俺は手でもてあそんでいたペットボトルを元の場所に戻した。








腰に回っている白い腕にかぶせる様に俺の腕を重ねる。
首筋から肩に移動し始める口唇に伴って、柔らかい髪が素肌をくすぐる。


「牧野・・・くすぐったいよ」


目を細めて抗議をしたけど、牧野は全然聞いてくれなくて。
何度も、何度もキスを落とす牧野。



されるがままになっている俺なわけでもなく、右手を牧野の髪に通すとさりげなく頭を押さえつけて、無理やりめの熱いキスを返す。



「・・・仕返し」
にやりと微笑んだ俺と視線を絡ませると真っ赤になってふくれる、牧野。


「も、もう〜」




おいおい、あんたから仕掛けてきたんだろう?




苦笑しながら牧野を組み伏せる。




いつまでも、こうしていたい。
ゆっくりと流れる時間に身を任せて、牧野のそばで。

ぬくもり、鼓動、吐息まで
牧野のことなら、全てを感じたいんだ。




俺も、願ってみようか
牧野との永遠を────
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ベットの中からさっき牧野が開けたままの窓を見る。
木々に遮られながらも、空に光る星を見ていると後ろから抱え込むように抱きしめていた牧野の口から、あのメロディーが聞こえた。


牧野のお腹の辺りで組んでいた腕に少し力を込め、顎を肩に乗せる。



牧野の歌声が止んで視線が絡む。
ふわりと微笑むと、俺の腕に重ねた手に力が込められた。




再び耳元に響いてくる牧野の柔らかいメロディーに、ゆっくりと瞼を下ろした。




一緒に、祈ろう─────







おしまい



■■■■■アトガキ■■■■■

10000踏んで頂いてどうもありがじゅ。
このお話、10000のキリリク話ですー。
ゲッターさま(ぴのしゃ)からのリクは、切ない系→甘々系で。でした。

<(T◇T)>おぅ。甘々系!!苦手分野やんけ!!(爆)
でもね、いつまでもこんなこと言ってらんないので、がんばりましたよっ。
かなり、がんばりましたよっ。
・・・いかがでしょう・・・か・・・

しゅ、修行が足りないっすね(〃゚д゚;A アセアセ・・・
なにせ甘い恋愛って……。やめとこ。自分の事語るとますます怪しい人物像が出来上がってしまう(笑)

司×つくし希望の人にはなんだか寂しいお話になってますが、
ゲッターのぴのしゃん、ルイルイファンだからいいよね?
え?なに?違う?
何言ってんのー!!またまた〜!!(爆)

再び、感謝と愛を込めて♡

2003,10,11 momota





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