暖かな日差しがカーテンの隙間から差し込んでいる。
キングサイズのベッドに寄り添うように眠っている司とつくし。
どんな夢を見ているのだろうか。



司とつくしが結婚して早や半年。
『センサイだから同じ部屋に人がいると寝らんねえんだよ』
と言っていた司が当たり前のようにつくしを隣に寝かし、
愛しい存在が隣にいる安心感からか
一人で寝ていたときよりも熟睡できるようになろうとは、
当の本人も思っていなかっただろう。








「ん・・・うーん」

つくしが寝返りをうって、薄目を開けて時計を見た。

「あー、もうこんな時間だ。起きなきゃ・・・」

心地よい眠りから体を引き剥がすように起き上がりかけると、
司はつくしを引き止めるかのように無意識に腕をからませてくる。

「ち、ちょっと司。起きてよ。仕事遅れちゃうよっ」

つくしが司の腕を離そうとしても、なかなか離れない。

「つかさーっ、起きろーー!!」

耳元で叫ぶと、司はやっと目を覚まし、寝ぼけ眼でベッドに起き上がる。

「・・・・・・ん?」



起き上がった拍子にシーツがめくれ、
均整のとれた裸の上半身があらわになった。

「またそんなカッコのまま寝てる。何か着て寝たらっていつも言ってるのに」

つくしが目を逸らして赤くなりながら言う。

「おまえなぁ、いい加減慣れろよ。結婚してどんだけ経つと思ってんだ。
 裸くらい何度も見てんだろーが」
「慣れないものは慣れないのよっ。
 つーか何度も見てるとかそうゆうこと言わないで!
 早く何か着てよ」

早口に言うとますます赤くなって司に背中を向ける。
そんなつくしの反応が可愛くて、もっといじめたくなり
司はいきなりつくしを後ろから抱きすくめた。

「なっ・・・なによ!?」
「何って、キスしよ」

不意に迫られて、思わず身をよじり逃げようとしたつくしを
追いかけるように司が顔を近づけると

「イ・・・ヤッ」

ばふっっと司の顔に枕が命中した。
強く拒否されて、司の額に青筋がたつ。

「てめ、嫌ってなんだよ。ケチケチすんな、減るもんじゃねーし」
「嫌なものは嫌なのっ、何よ朝からケダモノみたいにっ」
「ケダモノって・・・おまえなぁ、そこまで言うか?」

その言葉に少なからず司は傷ついたようで、
腕を離して拗ねたように向こうを向きシーツをかぶってしまった。
つくしもちょっと言い過ぎたかなと思って反省する。

「ねえちょっと司・・・あの、ごめんね。ちょっと言い過ぎたかも」

つんつん、とシーツの上から司をつついてみる。
途端、

「ごめんで済むかっ」

司は寝返りをうったと同時につくしを捕まえて押し倒した。

「きゃあ!・・・んんっ」

叫んだ口を、司のキスでふさがれる。
「俺様を傷つけたオシオキだな」

「・・・・!!」


           

ニヤリと笑う司と思わず顔を引きつらせるつくし。

結局、二人が起き出したのはそれから1時間後のことだった。




                             戻る